開かれたイメージ、乖離する現実。

世界にはこんなにも活躍するゲイがいることをご存じだろうか? ここでいうゲイとは、広義でLGBTの人々を指すが、登場する33人はそれぞれのジャンルのトップクラスに君臨しながら自らのセクシャリティを開放し、グローバルな活躍を見せるパワーゲイだ。フィールドは政治、経済、スポーツ、ファッション、カルチャーシーンと幅広い。これは、もちろんゲイだから特別な才能があるということを意味するものではない。才能ある人々のなかには、こんなにもゲイがいるということ。そこからLGBTマーケットへの理解が始まる。

 

世界をリードする最強パワーゲイ33人! | GQ JAPAN (2011年03月24日)に触れた時、(個人的には)確かに、LGBTという言葉は聞き慣れないが、ゲイ、レズビアンは、欧米(概ね日本以外というセグメント)においては、カミングアウトは当たり前の行為として社会に定着し、そこには、セクシャリティを越えた、パーソナリティを許容する文化が存在していると感じていた。大げさに言えば、LGBTが率先してコミュニティやフォロワー(ユーザー・大衆)を牽引し、大きなインフルエンサーとして、トレンドを牽引していると認識していたとも言える。アップル社CEOのティム・クック氏とかね。

 

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ところが、それから数年経った今、ゲイのCEOはなぜ少ないのか? | The New York Times | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト この記事に触れて愕然とした。

 

だが大きな例外が少なくともひとつある。企業だ。規模で見たアメリカのトップ1000企業で、同性愛者であることをオープンにしている最高経営責任者(CEO)はほとんどいない。

 

 エンタメ、スポーツ(プロスポーツもさることながら、オリンピックにおいてもカミングアウト事例は顕著だ)、アーティストというカテゴライズにおいては、カミングアウトした、しているというニュースをよく耳にするし、その認識は間違いないだろう。また、企業においては、ニッチ(アメリカ規模においては意外と大きい)マーケットとCSR(企業の社会的責任)、サスティナビリティの観点からLGBTの(積極的)採用を進めている。もしくは、企業イクオリティ指数(米NGO "The Human Rights Campaign")によって可視化されるというストラクチャーがある。私は、この2点において、LGBTをめぐる環境、殊に職場環境は素晴らしいものだと決めつけている部分があった。つまり、欧米と日本という文化的な体系は考察に値するものの、希望的観測として、日本社会における職場環境、および企業姿勢、そのスタンスが、いつか欧米のように変革する時が来るだろうという淡い期待を抱いていたわけだ。

日本においては、少なくとも政治、経済、スポーツ、ファッション、カルチャーシーンというフィールドにおいてLGBTであることを公言、カミングアウトしている人は少ない。カミングアウトすることの意味と重さ、日本におけるLGBTに向けた企業環境の整備、LGBT雇用をスムースにするための施策、そこに関わる法整備。そして、それ以上に必要な(非LGBT当事者側の)理解と認知促進。個人主義集団主義的な文化的背景、価値観なども交えて以降考察していきたい。

 

ベスト・オブ・リッキー・マーティン

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