未知から生まれる恐怖、葛藤、そして偏見。

未知なるものは、誰にとっても恐怖であり、脅威となる。見ない未来の話や、死んだ先の世界も未知である。きっとそこに何があるのかがわかれば善処できる。そういうものだ。HIV(ヒト免疫不全ウイルス)を含むSTI性感染症)全般はまさにそれだ。病気の根治という課題もあるが、調べるというプロセスを踏まなければ、自分自身にとって依然として未知のままである。「先日、SNSで知り合った人とセックスした」とか、「過去に数人と性交渉してきたが、もしかして・・・」などと、悶々と過ごす時間はまさに未知との戦いである。未知を放置している状態や、未知を解明するための検査結果待ちの時間は、恐怖のピークだと言える。

 

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、免疫力を破壊するウイルス。なんでも男性同性間の性的接触感染が70%以上を占めるそうだ。厚生労働省が設定する「個別施策層(HIV感染の可能性が高いと予想されつつも、予防のための知識・行動へのアクセスが様々な理由で困難な人々)」には、男性同性間の性行為群も含まれている。

 

The Grindr Effect? Gay Men Again Battling Increasing STI Rates | The New Civil Rights Movement 突発的な出会いにおいては、それに見合うリスクヘッジは必要です。

 

エイズは女性にとっても他人事じゃない無料・匿名でHIV検査を受けよう(2014年05月26日)http://wotopi.jp/archives/5099 ウートピ the woman topics

  

「行政がホモの指導をする必要があるのか」兵庫県議会議員・井上英之氏による発言だ。同性愛は「社会的に認めるべきじゃない」「偏った性嗜好」等とした上で、県内のHIV感染予防啓発活動は「行政が率先して対応する必要はない」と述べた。発言撤回の予定はないとする井上県議に対し、オープンリーゲイである豊島区議員・石川大我氏などから抗議の声が出ているが、今回の発言が抱える問題点は同性愛者への差別だけではない。HIV/エイズに対しての無理解もまた露呈してしまった形だ。

 

このニュースは、そもそも公の人間として人格を問われているケースであり、深く言及はしない。しかし、偏りが生まれる風土は多く存在している。個人の未知は、自らとの戦いだ。ハイリスク層であろうがなかろうが、未知という局面を克服しなくてはならない。もう一方の未知は、良くも悪くもこの社会がグルーピングによって成り立っているという視座だ。マジョリティとマイノリティと区分した場合、マイノリティはマジョリティによって未知であり、その逆も然りだ。どの場面を切り取っても対立軸が存在している。この二重の未知が話をややこしくする。

 

まず、調べよう。未知のまま放置することは、それを肥大化されることであり、パートナーを傷付けることにも繋がる。僕はキッカケがあって受動的に調べた。結果が報告されるまでの数日、過去のいろんなシーンを回顧しながら、自分自身の保身に努めた。凄く嫌な時間だった。いや、苦しかったという表現が妥当だろう。しかし、未知が解消されると共に、視界が広がった。見えざる恐怖がなくなる瞬間は、自らの心に大きな余裕を与えるものだ。

 

LGBTHIVは一対で語られることが多い。安倍昭恵さんにインタビュー@東京レインボーパレード | 8bitnews にあるように、4月27日に東京・代々木公園で行われたLGBTレズビアン・ゲイ・バイセクシュアルトランスジェンダー)の権利向上を訴える「東京レインボーパレード」に、安倍昭恵首相夫人が参加していた。そして、沿道のLGBT層だけでなく、世界のメディアから注目された。

 

安倍昭恵首相夫人、ゲイパレードに参加。大歓迎される | 日刊SPA! (2014年6月3日)

 

「UNAIDS・ランセット委員会(HIVエイズの問題に取り組む国際機関)の委員に就きまして、ここ数か月エイズの問題に関わってきました。そこでLGBTの方々にお世話になり、このパレードのことも知りまして。ぜひ、私も参加したいと思ったんです。世の中にはいろいろな方がいらっしゃる。それぞれの多様性が尊重される社会が理想だと私は思っています」昭恵夫人をパレードに誘ったHIVアクティビストの長谷川博史さんは「昭恵さんがフロートの上に乗ると大きな歓声があがり、沿道の多くの人たちが手を振って大歓迎してくれました」と語る。

 

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6月は「東京都HIV検査・相談月間」です。6月1日〜6月7日は「HIV検査普及週間」としてキャンペーンとして検査の普及が促されました。そして、12月1日は「世界エイズデー(World AIDS Day)」です。世界レベルでのエイズのまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的に、WHO(世界保健機関)が1988年に制定したもので、毎年12月1日を中心に、世界各国でエイズに関する啓発活動が行われています。「共に生きる」象徴であるレッドリボンを数多く見かけるその日までに、まず自らの未知を取り除くよう、検査機関に足を運んでみてはいかがですか?(自宅でできる・匿名でできる検査キッドも充実しています。)

 

≪デメカル血液検査キット≫「HIVセルフチェック」 男女兼用

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性病検査キット6項目 男性用

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