ワンダーウォール ブロークン ドリームス、本質を探れ。

オアシス(OASIS)2ndアルバム「(What's the Story) Morning Glory?」に収録された1995年「Wonderwall」、グリーンデイ(Green Day)7thアルバム「American Idiot」に収録された2004年「Boulevard Of Broken Dreams」、そして、トラヴィス(Travis)2ndアルバム「The Man Who」に収録された1999年「Writing To Reach You」どれも素晴らしい曲でそれぞれにシングルカットされている。

 

(What's The Story) Morning Glory?

(What's The Story) Morning Glory?

 

 

「Boulevard Of Broken Dreams」発表当時、オアシスのノエルギャラガーは、「グリーンデイが "Wonderwall" をパクった」とが発言し、グリーンデイを非難しています。確かにビートを刻むようなアコースティックギターの動き方、ベースとドラムの入り方、そして、コード進行や「静」の部分のアレンジなど似ている部分は多くみられます。一方、「Writing To Reach You」は、そもそもオアシスへのオマージュが基になっており、「Wonderwall」という歌詞まで登場します。また、楽曲クオリティも含めノエルギャラガーから公認を受けていたりします。 グリーン・デイ、オアシスのノエルから苦情!? | GREEN DAY | BARKS音楽ニュース (2006年12月15日)

 


Oasis - Wonderwall - Official Video - YouTube

 


Travis - Writing To Reach You - YouTube

 


Green Day: "Boulevard Of Broken Dreams ...

 

たとえオリジナルであっても、この世にクリエイトされる創造物に完全なるオリジナリティを担保することなどできません。そこに至るまでに多くの情報を耳に、いつの間にか自分自身のアイデンティティであるかのように人は振る舞うからです。オアシスのノエルギャラガーも、大好きだったビートルズローリングストーンなどの楽曲にインスピレーションを受けて作曲していることを認めています。

 

オアシスのファンはオアシスの楽曲を、グリーンデイのファンはグリーンデイの楽曲を、トラヴィスのファンはトラヴィスの楽曲に心打たれることを前提としても「どれも好きだよ!」と、受け入れる人もたくさんいるはずです。それはアーティストの人物性、音楽性、背景、音、アルバムの中での位置づけ、聴いた時のロケーション、歌詞、ライブでのスケール、時代的観点、ミュージックビデオにあるイメージなど、リスナーが、音楽を吸収する時の主体性なるもの(感性)は、あらゆる状況に起因し、複雑に存在しているのです。

 

American Idiot

American Idiot

 

 

パッケージが変われば、印象も異なるという視座に立てば、大きく人間という括りも同様ではなかろうか。性別、人種、社会的立場などの違いを取り除き、その向こうに見える本質に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

 

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The Man Who

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