ジューンブライド。市場が先か、政治が先か。

ジューン・ブライドとは、直訳すると6月の花嫁となり、6月の結婚という意味です。欧米では古くから、6月に結婚すると生涯幸せな結婚生活ができるという言い伝えがあります。これは、ギリシャ神話主神ゼウスのお妃ヘラ(ローマ名ではユノ、英語名ではJuno)という女神由来です。ヘラは最高位の女神で、結婚・出産を司り、家庭女性・子どもの守護神と云われており、ヘラが守護している月が6月のため、英語で6月がJuneとなりました。また、ヘラを祭る祭礼が6月1日に催されたことから、結婚式を6月に挙げると女神ヘラの加護を受け、生涯幸せになれるという習慣ができたとされます。 

 

6月24日、気が付けば6月も後半にかかり、少し蒸れた空気を胸いっぱいに吸い込むと、初夏の匂いを感じます。巷では「ジューン・ブライド」とされる季節。LGBTコミュニティにおいても例外ではなさそうです。

 

 

LGBTポータルサイト「2CHOPO(にちょぽ)」 では、このところ、同性婚に関わる記事が立て続けに公開されています。アメリカ・カリフォルニア州のサンタバーバラでのゲイカップル同性挙式の模様と、同性婚法制化を目指すNPO「EMA日本/EMA日本基金」が、日本国内の同性婚法制化の実現可能性についてどう感じているのかなど盛り沢山です。

 

同性婚は、日本では法律上認められていない。青森市役所で今月5日、女性カップルが婚姻届を出したが、「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」と定めた憲法24条を理由に不受理になった。 

 

同性婚:「京都の寺で挙式いかが」海外向けプラン人気 - 毎日新聞 にあるように、同性カップルは事実上婚姻関係にあっても他人と位置づけら、法的な絶対的根拠がないために、家族の同意や、財産相続などに限界があるのが現状だ。しかし、欧米で反響を呼んだ海外向け同性婚(観光を兼ね備える)プランを提供するホテルグランヴィア京都臨済宗の「春光院」によるこの企画は、国内のLGBT層に一定の希望を与えているのは事実であり、それは感激と共に僕の耳にも入ってきています。さらには、株式会社みんなのウェディングが、昨年「LGBTだって結婚式を挙げたい!セクシャル・マイノリティ向け相談会」を実施したことも記憶に新しく、同性婚をプランニングする団体や企業もこの数ヶ月、社会に向けて突出してきたように感じます。

 

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市場が先か、政治が先か。
それは人々のニーズが決めていくことですが、同性婚というキーワードを据えたムーブメントは着実に動き、根を張っているように思います。しかし、結婚が全てではありません。その先にある(いや並行して考えるべき)子供の問題、養育の問題、老後の問題などを含めて、純然たる法整備がされることを期待し、社会に貢献できるいち共同体としての体裁を維持できるような社会構築が望まれます。生きやすい社会、住みやすい社会は、対等な権利の元に、対等に築かれていくべきだと考えます。